未成年者との単独契約
当サイトは、学生の間で利用者が急増していると言われる、学生ローンの諸問題について解説するサイトである。
最初に取り上げたのはマルチ商法などの被害拡大について触れたが、ここでは未成年者との単独契約について突っ込んでみたいと思う。
学生ローンは未成年者にも親の承諾なしで貸し付け契約を取り交わしている。
本来、未成年者との契約は親の同意が必要という認識があったのだが、誤った認識だったのだろうか?
と、いうのも、学生ローンとて貸金業者である。
貸金業者には、貸金業法という法律によって、健全な経営に努めるよう監視されている。
学生ローンも当然、例外ではない。
過剰貸し付けしかり、過払い金返還請求者への対応しかり、監督行政より厳しい監視体制がなされているのだ。
そんな状況で、ホームページで堂々と(実はヒッソリとかもしれないが)、未成年者への融資は可能である旨表示されている。
貸金業者は不定期に監督行政の査察を受ける事がある。
もし、法律で未成年者との単独契約が禁止されているならば、即、注意勧告、あるいは行政指導になろうというものだ。
イヤ、もし法律違反だとしたら、貸金業者としての資格を取り消される可能性すら大いにある。
そんなリスクを冒してまで、そのような行為をするはずがないのである。
と、いうことは、未成年者との単独による金銭消費貸借契約は、法律上は有効と考える事が自然といえる。
●未成年者取消権の考え方
未成年者には、取消権という権利が法律で保障されている。
取り消しとは、契約をした後、未成年者本人・又は、親などが契約を取り消す意思表示を、相手方に伝える事によって成立する。
と、いう事は、未成年者側が取り消す意思を伝えなかった場合、その契約は有効となるのである。
つまり、未成年者との単独契約は有効で、取り消す意思表示をする事によって、はじめて契約そのものがなかった事にする事ができるのである。
契約そのものがなっかたという事は、未成年者側はお金を学生ローンに返し、学生ローン側は契約書を返還する事になる。
しかし、ここで1つ疑問が湧いてくる。
未成年取り消しは、双方にとって何のメリットがあるのか?
実は、未成年者は法律的には、現存する利益のみ返せば良い事になっている。
「借りたお金は、飲み食いに使っちまった」と言えば、それで返さなくて良いのだ。
もちろん、全て手元に残っている場合は、全額返さなければならないが、この場合は借りた方の腹1つで、どうとでもできてしまうのである。
ただ一つ言える事は、学生ローンはこうしたリスクを承知で貸し付けを行っている。
とりわけ、日本人のマジメな性格を読みこしてのものだろう。
しかし、中には納得できない親などが、本人に代わって未成年取り消しをするケースもあるだろう。
その場合、学生ローンはリスクを承知で貸し付けているのだから、相手がもう手元には残っていないと言えば、受け入れる事である。
一方、借りた方の側は、払うにせよ払わないにせよ、誠意を持って交渉するべきである。
使ってしまったものは致し方ないが、手元にいくらか残っているのであれば、それは返金するべきだ。
決して未成年取り消し権を悪用してはならない。
以上が、学生ローンと未成年取り消し問題に関する、自分なりの解釈である。